優秀な社員を残す会社にみる人件費の考え方

とある小売店オーナーからのご相談でした。

「社員の昇給や賞与に関して、どうしていいのか悩んでいます」

この会社はバブル崩壊・リーマンショックの影響で長らく業績が低迷していましたが、
社長の経営努力もあり、また、アベノミクス以後の好景気もあり、
業績がだいぶ持ち直してきていました。

以前から社員教育や人件費等についてアドバイスを差し上げることがあり、
その中で、社長自身も
「社員に長くいてもらえるような会社にしたい」
「モチベーションを高く持ってもらえるようにしたい」
「目標を持って仕事をしてもらえるようにしたい」
と思うようになり、どうすべきかの打合せを重ねてきました。

おかげで、いまは優秀な社員やモチベーションの高い社員が増えてきたので、
その人達を退職させずに残すことも会社の一つの課題になったといえるでしょう。

その中で、目標ややりがいだけでは必ずしも社員は付いてこない・長く続けてくれない
ということを感じ、少なからず給料という形で表さなければいけないと思ったことによるご相談でした。

今は業績が良いとはいっても、これが長く続くとは限りませんし、
近隣に競合店が出来る話や業界の先行きの不安などもあります。

方法として
■固定給を増やす案
■業績が良かった年に決算賞与として支給する案
■月次・四半期・半期・年間の業績をインセンティブ方式で支給する案
などが、この会社にとって考えられる方法だったので、案として提示しました。

結果としては先行きの不透明さから固定給を増やすのは難しいこともあり、
決算賞与という形で業績が良かった年は支給することになりました。

重要なのは、
・社員がどのようにすればモチベーションを高くもち、
 目標を持って自主的な仕事が出来るか?をリードすることと
・やりがいだけでは長く続かないので、
 何らか社員の所得に還元される形での報酬は検討しなければいけないこと
がそれぞれ別の問題であることです。

社員への人件費を抑えたいと思う経営者ほど、
「やりがい」「モチベーション」「目標」を与えることが報酬の代わりのようなニュアンスを出しますが、
それは必ずしも正解ではありません。

それらは「自主的で優秀な社員」の必要条件であって、
優秀な社員ほど、それだけでは続けてくれません。

これをきちんと理解し、何らかの方策をとらないと
「社員が残らない」「優秀な社員ほどよく辞める」会社になりがちです。

人件費が増えると当然会社の経営は圧迫されます。
しかも、人件費は典型的な固定費なので、
カンタンに削減できるものでもありません。

この「優秀な社員を残し、会社の業績を上げたい」という気持ちと
「固定費はなるべく抑えて、会社の体力を付けたい」という気持ちは相反するように見えるので、
尚更経営者としては頭を悩ます部分です。

しかし、多くの会社は社員の能力に業績が左右される部分が少なくありません。
優秀な社員を雇用するため、その社員を残すための方法として
人件費の検討は切っても切れない問題です。

私どもは財務分析・経営分析も踏まえ、財務・経営の両面からアドバイスを行っております。

このような人材・人件費・経営のご相談も受け付けておりますので、
お気軽にご相談下さい。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加