「創業者を知らない」二代目が会社を潰す

よく「二代目は創業者の苦労や努力を間近で見てきているので、会社経営の大変さや経営の仕方を自然と覚える」が、「三代目ともなると創業者の仕事ぶりを見ていないので、会社を潰すのはだいたい三代目」という話があります。

しかし、最近多くなったように感じるのは
「二代目が会社を潰すケース」

もちろん、以前より経済環境や時代の流れが早くなってきたので、
それに対応できない会社が増えたというのはあります。

ただ、それ以上に多いのは
「創業者の仕事ぶりを見てきていない二代目が継ぐケース」です。

一昔前は「親が会社経営者だと、その大変さを見てきて、逆に家業を継ぎたくないと思い就職するケース」が増えていました。
今、それが「とはいえ、会社勤めしても終身雇用の保証がないことから、それなら中小零細とはいえ、基板が安定している親の会社を継いだ方が収入は安定するだろうと、親のリタイアを機に会社を継ぐ」と考える二代目が多くなってきたように感じます。

このパターンで何が起きるかというと、
まず、一旦就職した理由自体が「親が大変そうだったから」というものが多く、
実際に家業が何をしていて、どのような取引先があって、どのように資金が動いていて…
というのをほとんど知らないで家業を継がない選択肢を選択しているため、
いざ継ごうと思っても、会社のことを全く知らない場合が多いと感じます。

そうなると少し悪い言い方をすると、創業者の子供というだけで新人と同じです。
この時点でまず取引先・従業員の信頼が失われ、離れていく取引先・従業員が多く出ます。

次に、会社経営の仕方も分からないし、どの程度の状況までは許容範囲で、
どこまで悪化したらテコ入れが必要なのか?も分からないので、
意外と会社が傾いていても手を入れない経営者が多いのが現実です。

そして、「親の時は安定していて、それをそのまま引き継いだのだから、大きな変化が起きない限り安定しているだろう」という慢心がある場合は、「創業者が退いた時は一時的に会社が傾く」ということがわからずに、その傾いたままを「安定している」と勘違いしてしまいます。

度合い・程度の差はありますが、こうして就任当初から徐々に会社が経営難に向かっていく二代目が話を聞くと多くなったと感じます。

言ってみれば、こういうケースはほとんど「創業者を知らない」も同じです。

事業承継は中小企業の命題でもあります。
通常は5~10年を掛けてしっかり準備する必要がありますが、
いきなりではなく、せめて3年、準備期間を設けると良いでしょう。
何より、基板があってもそれは絶対ではなく、継いだ以上は自分が経営者であり、
創業者以上の経営をしていかなければいけないという二代目の覚悟が必要な部分です。

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